「それじゃ、行きますね。」 「うん。またね、成海さん。」 力ないその声に、あたしはそっと笑うと背を向け喫茶店へ走った。 「やっぱりなんかあったよね?」 「な、なんもないってば!ほら食べよっ!」 意外に鋭いトモに、あたしは唐揚げをつまようじに刺して渡した。 しばらくして外を見ると、雨がポツポツを降り出してきた。 もういないよね。 きっと帰ったよね。 少し気になりながらも、トモが話す言葉に耳を傾けた。