いつの間にか辺りは薄暗くなっていて「そろそろ危ないから帰ろうか」と言ったのは健二くんだった。
「本当は心配だから家まで送りたいんだけどな」
「大丈夫だよ。私ってほら。襲われるタイプでもないし」
「その心配があるから言ってるんだけど」
健二くんが私を女の子扱いしてくれることが慣れない。
クラスメイトの男子が可愛い女の子に対して優しくしてる場面を見たことがあるけど、自分には無縁だと思ってたし。まさかこんな日がくるなんて……。
その時、肩にかけていたカバンからバイブ音が伝わってきた。
今日は気にならないようにポケットに入れるのは避けてたけど、着信やラインが来てることは知っていた。
相変わらず気持ち悪い誘いの文章。
例のサイトはあれ以来見てないけど、私に連絡が届くということは削除以来は受理されてないらしい。
ターゲットにしている年齢層が40代以上だからか、会社終わりのこの時間帯が一番連絡がくるピーク。
せっかく勉強の話ができて気が紛れていたのにまた……。
「七海ちゃん大丈夫?どこか具合でも悪い?」
「ううん!平気平気!」
健二くんが医者志望だって忘れてた。
すぐに顔色の変化に気づいてしまうし、せっかく楽しい時間が過ごせたんだからこのまま終わりたい。
「じゃ、私そろそろ……」と歩き出そうとした時。
「ねぇ」と突然後ろから肩を叩かれた。



