幼なじみとさくらんぼ




カフェを出た私たちは少し歩くことにした。

1時間くらい話したからか、随分と健二くんに対しての緊張がなくなった気がする。

勉強の話や将来のことなんて普段はあんまり語れないし、健二くんの話はどれも面白くて時間なんて気にしなくなっていた。


「あ、七海ちゃんって今年のクリスマスなにか予定ある?」

すると突然思い出したように健二くんが言う。


「クリスマスは……」

クリスマスは毎年ハチと一緒。


クリスマスだからといって特別なことをするわけじゃないけど、ハチは決まってケーキを買ってうちに来る。

それで「ナナのも半分ちょうだい」って言って結局半分以上食べてしまうのが恒例だ。

 
でも考えてみれば今年のクリスマスは今までと違ってハチには彼女がいる。さすがにその日は一緒に過ごすだろうし……というかそうするでしょ。普通に。

裕子も彼氏がいるし、今年こそ私はひとりで過ごすことになるかもしれない。

だけどそれがイヤだとか寂しいとか思える乙女心があったら、私にだって彼氏のひとりやふたりいたと思うんだ。

どうしよう。

クリスマスはゆっくり冬休みの課題ができるとか思っちゃってる私って……けっこうヤバくない?


「あ、ごめん。そんな先の話されても困るよな」

「え、いや全然。クリスマスはどうだろう。まだ分かんないや」

なんて、笑って誤魔化した。