幼なじみとさくらんぼ




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その日の放課後。私は初めてハチとの下校を断った。

今日はデートじゃないらしく「一緒に帰ろう」と言われたけど、裕子と遊ぶと嘘をついてしまった。


「七海ちゃんごめんね。担任の話が長引いちゃって……待った?」

駅のターミナルで待っていると健二くんは走って改札機を通り抜けてきた。


「ううん。私もさっき着いたところ」

「ならよかった。お腹は空いてない?どこか行きたいところがあったら言ってね」


私はあのあと健二くんにメールの返事をした。
ただシンプルに【いいよ】と言った。

裕子に言われたからじゃないけど、健二くんにはお礼をしなきゃって思ってたし、家にいるよりは気晴らしになる気がしたから。


「メールありがとう。断られると思ってたからすげー嬉しい」

健二くんはあまり気持ちを隠さない人。

嬉しいとかちゃんと言葉にする人っていいかも。特に私はハチとの感覚に慣れてしまってるから、ハチのようにすぐ顔に出たり口に出したりしてくれた方が助かる……って。

また健二くんのハチを比べちゃったよ。

今日は視野を広げる為にもハチのことは忘れる!
ハチ離れ……ハチ離れっと。


「とりあえず温かいものでも飲みに行こうか」

私と健二くんは駅ビルの中にある小さなカフェへと入ることにした。