幼なじみとさくらんぼ




映画館に着くと健二くんはポップコーンを買ってくれた。お金は出すと言ったのに俺も半分貰うからって。

日曜日の映画館はどこを見てもカップルだらけで、みんな手を繋いだり腕を組んだりしていた。

当たり前のようにポップコーンを分け合ってジュースでさえふたりでひとつ。恋愛という機能が遅れている私にとっては別次元の世界みたいだ。


映画は2時間30分で終わった。

感動系の内容だったから後半は涙を堪えるので必死で、周りからはすすり泣きも聞こえていた。


「映画感動したね~!病気系の映画ってなんかツラいけど、最後は前向きに生きていこうって決意する主人公に感情移入しちゃって」

「あ、私も!涙こぼれないように必死だったもん」

「えー泣けばいいじゃん!ってか七海ちゃんの泣き顔ちょっと見たかったかも」


こうして映画の感想を言い合えるっていいな。

気に入った映画があると私はパンフレットを買って家でもその余韻に浸りたいタイプなんだけど、誰かさんに「どうせパンフレットってゴミになるじゃん」と言われたことは今でも忘れない。

誰かさんなんてひとりしかいないけど。


「このあとどうしようか?よかったら俺がいつも言ってるカフェでも行く?そこの飲み物うまいし甘いものもオススメだよ」

場所もここから近いってことで、私はそこへ行くことにした。