ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

「いらっしゃいませー!」

眩しい明かりに目を細めながら店内に入り、レジ横に並ぶいろいろな色のビニール傘の前に立つ。

「赤いのにしよう」

ハルはそう言って赤い柄の傘を取ろうとした。

「え?なんで赤?」

「ん?うたの自転車と同じ色」

ニコッと笑って、ハルはもう赤い傘を取りあげている。

「でも、帰りはハルがさすんだよ」

「分かってるよ〜」

本当に分かっているんだろうか。

真っ赤な傘をさすハルを思い浮かべる。

まあ、案外似合うかもな、なんて。

僕がさして帰るんだから、僕が払う。
そんなごもっともな意見に流され、またハルが支払いを済ませる。

なんだかんだ言って、ずっとハルのペースに引き込まれてしまっている。

もともと自分が相手を引っ張るタイプじゃない私は、その方が楽だったりするんだけど。

それに、ハルのペースは強引な感じがしないので居心地がいいのかもしれない。

コンビニを出て、またハルが自転車を押してくれる。

私はハルの肩に触れるくらいの距離で、ハルが濡れないように高く傘を差しながら歩く。

「うた、濡れてない?」

「うん、大丈夫だよ」

ああ、まるで恋人同士の会話だ。