コートの隅には様々な学校のカバンが無造作に置かれていて、脱いだ制服も乱雑に積み重なっている。
「あいつら片付けって言葉知らないからごめんね。波瑠はここに座って」
亜紀はベンチを指さした。
緑色のコートにはちゃんとセンターサークルやゴールラインの白線が書かれている。ちゃんと整備されていてキレイだけどこのコートに違和感があるのは気のせい?
「あ、もしかして気づいた?ここ前まではテニスコートだったんだよ」
「やっぱり!なんか見たことある感じだなって思ってた」
「フットサルができる場所って限られててさ。本当は屋根付きの室内がいいんだけど、そんな贅沢は言えないしね」
亜紀はフットサルについて色々教えてくれた。
サッカーと似ているけどルールや人数は違って、仲間も中学生から社会人まで幅広い人がいること。
「大人の人もいるのに亜紀キャプテンなの?」
さっきそう呼ばれてたけど。
「そんなの名前だけだよ。まぁ、俺が作ったチームだから作った本人がキャプテンでいいだろ、みたいな流れで決められただけ」
「え?亜紀がチーム作ったの?」
遊びの延長でやってるように見えてちゃんとしてるし、そもそもチームって作れちゃうものなの?
「元々フットサルに興味があってさ。学校帰りだったり会社帰りだったり色んな人が一緒に楽しめるもの作りたいなって思って。それでネットとか知り合いに呼びかけたりして生まれたのがこのチーム」
私の知らなかった亜紀の顔。
サッカーをやっている亜紀もキラキラしてたけど、自分の作ったチームを嬉しそうに語る亜紀のほうがもっとキラキラして見えた。



