一瞬会いに来てくれた?



とか思ったけどそうでもなさそう。



ただの移動教室みたいだ




一階の廊下で、不自然に見つめあう二人は、とても分かりやすいらしく



「もしかして、茜の彼氏さんですか?!」




赤くなって頷いた先輩を見て、興味深々な二人がじろじろと先輩を見た




「えと…鈴木先輩…」




申し訳ないと、躊躇いがちに私が声をかける



「ん?」




先輩は、優しく私の目を見た



「いや、何でもないです!」



赤くなって俯いた私を、二人は面白がる

先輩は、きっと迷惑がってるんだろうな…




少し落ち込んだ私は、


「すいません…」




とだけ言ってその場を後にした。