翼をなくした天使達



いつでも女子同士のトラブルはある。あんまり関わりたくないから私は傍観するだけだけど、まりえとは友達だし今回は傍観者ってわけにもいかない。


『まりえさ、なんかいつもと違くない?』

その日の帰り道、私はそう尋ねた。

『んー?なにが?』

寄り道して買ったソフトクリーム。まりえはペロリと舐めて半分私にくれた。

学校を出るとまりえはいつものまりえで顔も怖くないし感情も落ち着いている。

『市川さんの事』

『あぁ、あれね。ちょっとムカついたからさ』

それはまりえの好きな人が市川さんを褒めたから?でもそれって市川さん本人は全然関係なくて一方的なまりえの嫉妬だよね……。


『まじあいつさ市川がエロいとかどこをどう見て言ってるんだって話しじゃない?』

『う、うん……』

『女見る目ないってゆーか眼科いけって感じだよ』

まりえは笑ってるけど内心ではかなり気にしてるんだって分かる。元からまりえは気が強いしプライドが高いから、きっとあんな事を言われて傷付いたんだと思う。

『……遠足行かないの?』

溶け始めているアイスを私は一口食べた。

『うーん、行くよ?バーベキューとか普通にしたいしバスの中とかも楽しそうじゃん』

『だよね。洋服なに着てく?』

『あー制服じゃないんだよね。最近服買ってないからなぁ。来週一緒に見に行こうよ』

『あ、だったらここのランチ食べない?パフェの無料券あるんだ』

『まじ?やったね』

私はいつも通りのまりえにホッとしていた。

きっとさっきのは一時的に感情が高ぶっただけ。
イライラして人に当たりたくなる事私もあるし。