───「勝手にいなくなってく奴らなんて追いかけるなよ馬鹿。そんなのお前から捨ててやれ」
思えばあいつすごい事言ってたな。
あんなの蒼井しか言えないセリフだよ。嫌われるのも怖くないし、いつもひとりでいる蒼井はある意味無敵だと思う。
だからいつもあんなに自信満々で私の事見下してるのかな。そもそも蒼井の事なにも知らない。
「あかり、ちょっといい?」
授業が終わり休み時間、美保が私を呼んだ。
教室では話しづらいらしく私達は廊下の隅に移動した。私が声をかけようと思ってたけど改めて呼び出されるとドキドキする。
「あのさ、昨日の事なんだけど」
先に口を開いたのは美保だった。
「あんまりあーゆう事しない方がいいよ」
あーいう事とは橋本さんの事。
「あかりは優しいからあーゆうの放っておけないのかもしれないけど沙織に目付けられたらどうなるか分かるでしょ」
分かるよ。考えただけで恐ろしい。
って事は美保はあの後沙織には言わないでいてくれたんだ。美保の事は信頼してるけど沙織の前だとテンションが違うから不安だった。
「あんなのはいつも通り知らん顔しておけばいいんだよ。私達には関係ないんだし」
確かにいじめを始めたのは沙織達でいじめられてる橋本さんとは友達でもなんでもない。
でも関係ないって事はないんじゃないのかな。
ゲームに参加したり橋本さんを笑ったり、沙織みたいに直接暴言を吐かなくても黙認しているみんなは〝いじめてる人゛だよ。
「わ、私も今まではそう思ってたけど昨日のはやり過ぎかなって……。だから……」
「いいの。自分じゃなければ。みんなそう思ってるけど笑って合わせてたらそれでいいんだからさ」



