キミと初恋、はじめます。



さすが都会とだけあって、最新設備が揃った駅は田舎からは考えられないくらいに、とても広かった。


きっと一人だったら、あたしは電車になんか乗れないだろうな。


そもそも、ホームにさえもたどり着けなかったかもしれない。


お兄ちゃんがいて良かった…と心底安堵したのもつかの間、明日からどうしようという不安が頭によぎる。


今日はたまたま、朝だけ仕事が休みで来てくれたけど……。


チラリとあたしを囲むように立っているお兄ちゃんを見上げ、溜息をつく。


毎日なんて、来れるはずがないよね。



「──次は、──駅、──駅。お降りの方は……」


どうしたものかと考えている間に、星澟学園の最寄り駅がアナウンスで流れてきた。


まもなくその電車は駅のホームにゆっくりと止まり、プシューという空気の抜けるような音を発しながら扉が開いていく。


……と同時に、一斉に人が流れる様に出ようとするものだから、ドア付近にいたあたしは邪魔者扱いで。



「わっ……ひえっ」


衝撃に、情けない声をあげる。

押し出されるようにして、倒れかけたあたしの身体を、咄嗟にお兄ちゃんが後ろから抱えあげた。