「私は、言って欲しかった」



友達として、親友として。


私は詩姫をきっと翔空と同じくらいに見てきたつもりだった。


あのクリスマスイヴの日が、せめて冬休みでは無かったなら……


普通の学校の日だったなら……


詩姫はひとりで抱え込む事も無かったんじゃないか、なんて考えてしまって。


そんなのは不可抗力だし、私の言い訳に過ぎないのだけど。



この2週間、詩姫がいなくなった……というだけで私たちは皆バラバラになってしまっていた。



特に翔空に関しては、ろくに何も食べずに、魂がどこかに飛んでいってしまっているんじゃないかってほど、瞳には何の色も無くなっていて。



それを元気づけるような心の余裕は、私にも、あの祐介でさえも無かった。