キミと初恋、はじめます。




「俺の初恋、シキだった」



「そっかぁ……ん?へっ?あたし?」



聞き流しそうになって、あたしは自分の耳を疑った。



だって今、初恋は公園の見知らぬ女の子って……言ったよね?



「俺の初恋の子、あの写真に写ってる子」


「へ……?」



チラッと振り返って笑った翔空の視線の先は、さっきのあたしの幼い頃の写真だった。



ん?


つまり、翔空の初恋は幼い頃のあたし…?



「え、えぇぇぇぇ!?」


「うるさいよー、シキ」


「だ、だって、そんな、ことってある!?」



初恋は別の人だと思ってたのに、まさか翔空の初恋があたし!?




「俺もびっくりした。けどなんか納得かも」


「納得?」



あたしが首を傾げると、翔空は空を見上げて星を数えるように遠くを見ながら呟いた。