「ったくかわいーな、ほんと」 「からかわないでよっ」 あたしの頭を撫でながら、翔空はいつものように柔らかく微笑んだ。 「で、なんでこんな時間にここにいたの?」 「あ……目、覚めちゃって」 「へー。だから、俺に向けての愛の歌を歌ってたの?」 「なっ!」 い、いつから聞いてたんだ…… かぁっと赤くなった顔のまま、翔空をぽかぽかと殴る。 「ばかっ」 「はいはい」 「っ〜~〜!」 ぷいっと顔を背けると、翔空はあたしの手を取って首を傾げた。