「……つまり、シキは」
「母さんの入院中の世話と、家の事をするために向こうに行った。父さんに言われて…だけど、多分自分の意思で」
なんだそれ……
なんでシキはその事を俺に、俺達に話してくれなかった?
「あいつ、ああ見えて誰よりも不器用なんだよ」
「え?」
「この場所にいる事を………一人暮らしを選んだのは、間違いなく翔空や夏菜ちゃん達がいるからだ。 それが、あの時のシキの中の答えだった」
少し呆れたような顔で、溜息をついた詩音さんに、夏と祐介が顔を見合わせる。
「母さんの事を聞いた時のシキの答えは、多分向こうに行くって事しか無かったんだろ。……あいつ、今まで転校し続けてきて、その場限りの付き合いしかした事なかったからな」
「あ、つまり、詩姫はこの場所から離れる事は私達から離れる事って思ってた……って事ですか?」
夏の言葉に、俺と祐介の目が見開かれる。



