────…ピンポーン
玄関の呼び鈴がなる。
そんなの出る気にもなれなくて、俺は聞こえないフリをしたまま、また窓の外を見上げた。
外はもう暗くて、相変わらず星の少ない都会の夜空が広がっていた。
「……私、出てくるわね」
見かねた夏が、立ち上がって駆けていく音が聞こえる。
「えっ」
かと思ったら、夏の驚いた声が聞こえてきた。
「なんだ?どうした、なっつん……え、なんでここに?」
様子を見に行った祐介さえも、驚いた声をあげた。
誰だって言うんだろ。
うまく回転しない頭の中、騒がしい足音が近づいてきた。



