キミと初恋、はじめます。



「……なにやってるの、あたし」



一人そう呟いて、また滲んできた視界に唇を噛み締めた。



あたしだって、離れたくなかった。


ずっとあの時間が続くって思ってたよ。



でも、時には受け入れなければいけない現実があるんだって、自分に言い聞かせて。



あたしはすべてを捨てて、ここに来たの。


もういくつ涙を流したかわからない。


後悔なんて言いきれないよ。


それでもお母さんを見捨てるなんて、出来るはずも無かった。


お父さんのあの無機質な声のせいじゃない。


ここに来ると決めたのは、あたし自身なんだ。


いつまでも泣いてばかりじゃダメなのはわかってる。


わかってるけど……




「逢いたい……逢いたいよ……」



届くはずもないその言葉を、何度呟いただろう。



あたしは一体、何に迷ってるんだろう…────