毎日、夜が怖くて仕方が無いの。
あのアパートで一人で寝ようとすると、自然と蘇ってくるのは翔空やなっちゃん、祐介くんの顔。
自然と涙が出てきて、怖くて怖くて仕方が無い時は、お兄ちゃんに電話する。
前に使っていたスマホは、ここに来た日に解約したから今は新しいのを使ってるんだ。
どんなに忙しくても、あたしが泣いてる時はずっと電話を切らずに「大丈夫だ」って言ってくれる。
お兄ちゃんもお母さんと同じように、翔空の事とか向こうにいた時の事は、何も触れてこない。
それが、あたしにはありがたかった。
だって思い出す度に、胸が締め付けられて苦しくて辛くて仕方が無いんだもん。
離れて、改めてわかった。
もう会うことも無いだろう翔空は、あたしは生涯の好きな人。
離れていても変わらない。
ううん。
離れてさらに大きくなった。



