キミと初恋、はじめます。



「どこ行くの?」



俺を見上げながらシキは首を傾げる。


ウサギの耳でも錯覚しそうなほどの可愛さに、俺はスッと視線をそらした。


……照れ隠しだけど。



「スイーツ巡りとか、新しく出来た雑貨屋とか行こーかなって。夜はイルミネーションでもどう?」



普通かも知れないけど、シキはそーゆーのが一番喜ぶような気がしたんだよね。



「シキ?」


「え?あ、うん!すごく楽しみっ」



ぼーっとしていたのか、ハッと我に返ったシキは慌てて笑顔を見せてくれた。


寝不足……?


シキの事だから昨日とか、はしゃいでそうだけど。


少しの違和感を抱えながらも、楽しそうに話すシキをみて、温かい気持ちに包まれる。