キミと初恋、はじめます。






翔空side



「あれ?」



シキの家が見えてきたところで、玄関前で待っているシキの姿を見つけた。


っ……かわいー格好。


白い冬物のワンピースに、ブラウンのコートを羽織ったシキはいつもよりも可愛く見える。



いつもかわいーけどね。



「あっ、翔空おはよっ」



よほど楽しみにしていたのか、いつもよりテンション高く俺に駆け寄ってきたシキ。



「おはよ、かわいーシキちゃん」



「っ…もう!ね、早く行こ?」



頬を膨らませたかと思うと、ニコッと笑ったシキにきゅんとする。


ほんと、なんでこんなに可愛いんだろ。


でもなんか…違和感がある。



「シキ、泣いた?」


「な、泣いてないよ!」



なんとなくまぶたが腫れてるような気がするんだけど、気のせいか?



いつものように笑ったシキに、そう思う事にして二人で手を繋いで歩き出す。