「どう、しよう……かな」
あははとから笑いを零して、仰向けに寝転がる。
「…っ……っく…」
笑えない。
こんなの、冗談でも笑えない。
次から次へと溢れて来る涙は、止まることを知らずに、ただ残酷な現実を、あらわしているだけだった。
「…なんで……なん、で……っ」
明日は、翔空とデートなのに。
飛行機の時間を明後日にしたのは、そのためだけじゃ、ない。
別れを告げるため。
あたしは翔空のそばに、いられない。
いつこの場所に帰ってこれるかなんて、きっと誰もわからない。
それでも、待たせるなんて嫌だから。
あたしは、涙をそのままに机の中からレターセットを取り出した。
引き裂かれた心を隠して、たださよならの文を書くために…────



