キミと初恋、はじめます。



「俺、ちょっと行ってくるわ」



もう一度溜息をついて、祐介くんは翔空を追って医務室を出ていく。


なんでこんな大事に……!




「詩姫、あんた怪我は?」


「足首少し捻っただけ」




心配するなっちゃんに、あたしは微笑んで見せた。



「ったくあんたは……」


「心配かけてごめんね」



優しく頭を撫でてくれたなっちゃんに、申し訳なく眉尻を下げる。




────…キーンコーンカーンコーン



ん?


突然流れた校内放送を知らせる音に、あたし達は一斉に頭上を見上げた。



な、なんかこれは……嫌な予感。