キミと初恋、はじめます。



そもそも、なんでこんなことに……


落ちる寸前、見た数人の女子達は知らない人達だった。



あれは、翔空の取り巻きの子達?


結構公認になってきてたはずだけど、やっぱりよく思わない子はいるのか。


それにしても階段の頂上から突き落とすって、やること卑怯じゃない?


打ち所悪かったら、ただじゃ済まないし。



「はぁ……」


「……華沢」



ビクッ


いつの間にか怪我の治療が終わっていたのか、響くんが制服のボタンを止めながら、あたしのそばに歩いてくる。



「怪我は…?」


「大丈夫、大したことないわよ。少し痣になってるだけだったから」



南先生がホッとしたように笑ってるのを見て、あたしも安堵の息をついた。