キミと初恋、はじめます。



「あれ?」



駅のホームについた時、ふと星凜学園の制服姿をした男子生徒に目が止まる。


あの後ろ姿……



「響くん!」


「……響?」


「…………あ」



隣から低い声が返ってきたけど、気にせずにあたしは翔空の手をひいて、振り向いた響くんの元に駆け寄った。



「おはよう!」


「……おはよ。先輩も、おはようございます」



いつもの無表情だけど、ちゃんと挨拶する響くんは偉い!


だって絶対……



「誰?シキ」



ほら、きた。


挨拶どころか、男の子ってだけで機嫌がものすごく悪くなるんだよね。


いや、女の子もだけど。


響くんが挨拶してるんだから、先輩としてちゃんと返してあげればいいのに。