ひんやりとした空気が頬をなでて、火照った顔が程よく静まっていく。
「……あたしね、翔空」
『んー?』
やっぱり星は少ない都会の夜空を見上げながら、電話越しの翔空に呟く。
「この世界に生まれて良かったーって、翔空に出逢えてから何度も思ったんだ」
幸せを感じるたび。
この世界に生まれて、翔空に出逢えて、本当に良かったって心の底から思うんだ。
「きっと、何度生まれ変わってもね。あたしはどこにいても、翔空を見つけるんだろうなって」
『えー、そこは俺が見つけなきゃかっこ悪いからダメ』
「翔空が見つけてくれるの?」
『うん。何度生まれ変わっても、シキがどこにいても必ず見つけて、何度でも好きになるよ』
翔空の声は真剣そのもの。
あぁ……幸せだなって。
たぶんあたしは、生涯翔空だけを求めて生きていくんだろうなって。
生涯で愛せる人はひとりだけって、よく言うじゃない?
貴方にとっての、その相手は誰ですか?って聞かれたら、迷うこと無く答えられる。
翔空だ────って。



