キミと初恋、はじめます。



それが、母親なんだって言っているように。



「……ねえ、シキ覚えてるかしら」



ガタッと立ち上がったお母さんは、棚の下の方から厚いアルバムを取り出してきた。



「えっと……あった。ほら、昔ここに暮らしていた時の写真、いっぱいあるのよ」



アルバムを開くと、小さい頃のあたしの写真が沢山貼られていた。


……こんなふうに、あたしの写真残してくれてたんだ。



そう思ったらまた涙が出てきて、ゴシゴシと服の袖でふく。



「あたし、ちっちゃいね」


「ほんとね〜。あ、ほらこの写真とか憶えてない?近くの公園で遊んでた時の」


「うわ、あたし泥だらけだ」



お母さんが指さしたのは、砂場でやんちゃに泥遊びをしている写真。



顔も身体も泥だらけなのに、すごく楽しそうにあたしは笑ってピースをしていた。