キミと初恋、はじめます。



「ねー、屋上行かない?」



屋上?



くすりと笑って言った翔空に、あたしは首をかしげた。




「ほら行こー」


「ええっ!?…わっ」




翔空は立ち上がってあたしの背中と膝裏に手を差し込むと、そのままフワッと抱き上げた。



「ちょ、と、翔空っ」



「しー…夜中なんだから、静かにしなきゃ」



絶対あたしの反応で遊んでいるだろう翔空は、あたしを抱いたまま病室を出る。