キミと初恋、はじめます。



「シキー?」


「……え?」



な、なに?


突然あたしの頬を両手で包み込んだ翔空に、目をぱちくりさせる。



「怖い顔してる」


「ふぇ?」



無意識に、顔がこわばっていたらしい。


むにーっとあたしの頬をつまむ翔空に、マヌケな声をあげると、翔空は可笑しそうに笑った。


つられて頬を緩ますと、今度は優しく頭を撫でてくれる。



翔空の手は、いつも温かい。


大きくて、あたしの全てを包み込んでしまいそうなほど安心する。



「シキは、笑ってる時が一番可愛い」


「えー、なにそれ?」



ふふっと笑うと翔空も笑って、2人で顔を見あわせて自然とコツンと額がくっつく。