◇
「……ん…」
目を開けると、白い天井。
ツンとした消毒の香りが鼻を掠めて、この場所が病院であることを悟った。
また発作で運ばれちゃったんだ……
そう理解するまで、時間はかからなかった。
口につけられている酸素マスクを外し、少しばかり余韻の残る、胸の不快感に顔を歪ませながら起き上がった…
途端、あたしはギョッと目を見開く。
あたしの足元に、頭を預けるようにして眠っていた翔空の姿に。
なんで、いるの?
気を失う前、翔空の事を考えていたからかかぁっと顔に熱が集まっていく。
「……ふぁ…?」
突然ムクりと起き上がった翔空に、慌てふためいて布団をバッと顔元まで引き寄せた。
「あ、シキ」
「な、なんで……」
「目、覚めたー?」
「なんで、ここにいるの…!?」
穏やかに優しく笑った翔空に、あたしは顔を赤くさせたまま尋ねた。



