キミと初恋、はじめます。








「……ん…」



目を開けると、白い天井。


ツンとした消毒の香りが鼻を掠めて、この場所が病院であることを悟った。



また発作で運ばれちゃったんだ……



そう理解するまで、時間はかからなかった。



口につけられている酸素マスクを外し、少しばかり余韻の残る、胸の不快感に顔を歪ませながら起き上がった…



途端、あたしはギョッと目を見開く。



あたしの足元に、頭を預けるようにして眠っていた翔空の姿に。



なんで、いるの?


気を失う前、翔空の事を考えていたからかかぁっと顔に熱が集まっていく。



「……ふぁ…?」



突然ムクりと起き上がった翔空に、慌てふためいて布団をバッと顔元まで引き寄せた。



「あ、シキ」



「な、なんで……」



「目、覚めたー?」



「なんで、ここにいるの…!?」




穏やかに優しく笑った翔空に、あたしは顔を赤くさせたまま尋ねた。