「お兄ちゃんは……お兄ちゃんはっ…」
モデルになってからだって、きっとずっと歌手になるために努力してきたんだよ。
お兄ちゃんの本当の夢を叶えるために、たった1人でこの都会に来て。
輝いてるお兄ちゃんに、なんでお父さんはいつもいつもそうやって……っ
「シキ、もういいっ!」
「っ……ひくっ……」
大粒の涙を流しながら叫んでいたあたしを、強引にお兄ちゃんは抱きしめた。
痛いくらいに、強く強く。
「……もういいから」
「……だっ、て、おにっ…いちゃん…っ」
「いいんだ。俺は、父さんに認められる為に、この仕事をやってるわけじゃない。俺は俺の意志で、今の仕事をやってるだけだ」
あたしに言っているのか、お父さんに言っているのかわからない。
でも、その言葉は確かなお兄ちゃんの心の意志を持っていた。



