「詩姫っ!」
え。
「うぎゃっ」
何故か突然、正面からドンッと衝撃が走った。
今日はよく兄妹揃って声をあげる日だ。
「な、な、なっちゃん?」
目を白黒させながら、あたしにタックルとも言えるほどの抱きつきを見せたなっちゃんの名前を呼ぶ。
「どうしよ、詩姫……!」
「え?えっ?な、な、なにが?」
こんなに余裕の無いなっちゃんは初めて見た……
驚いてあたしから離れたなっちゃんを見ると、何故か今にも泣きそうな顔で。
「な、なっちゃん……?」
なにがあったの?と。
お兄ちゃんを掴んでいた手を離して、そっと歩み寄れば、なっちゃんは弱々しく後ろを振り返った。
その視線を追うように、あたしも身を乗り出してなっちゃんの後ろを覗く。
……なんか、騒ぎに…なってる?



