キミと初恋、はじめます。



「いやー、この学園広いな。シキの事探してたらバレちゃってさ、逃げてたところなんだよ」



あっけらかんと言ったお兄ちゃんに、あたしは唖然呆然。


逃げてた……ってことは、それなりに騒ぎになってるんだよね!?



「お兄ちゃん…なにしてるのよ…」


「仕事が午前中だけだったんだよ。2週間ぶりの休みだからシキに会いたくなってさ」


「連絡くらいしてくれればいいのに!」


「シキ、世の中にはサプライズっていうのが必要なんだぞ」



何がサプライズだ。


騒ぎになってたら意味がないでしょ!とあたしが眉を寄せると、お兄ちゃんは全く悪びれずに「ごめんごめん」と言った。




「で、シキ。おまえ、また可愛くなったな」


「は?」


「その格好。メイクしてる所初めて見たけど、やっぱ俺の妹だな。いっそ芸能界デビューしねぇ?」




……妹を勧誘してる、この人……。


はぁ…と深いため息をつき、頭を抱えたあたしをねぎらうように翔空が頭に手を置いた。