────…ドンッ
「びゃっ」
「うおっ」
途端、あたしはそこにいた人物に顔面から衝突した。
や、やっちゃった……!
「ご、ごごごごめんなさいっ」
顔を上げる前に、思いっきり頭を下げた。
「シキだいじょ……え?」
「うっわ…イケメン……」
後ろから走ってきた翔空と祐介くんが、驚いたように声をあげた。
「ったく。ほんと危なっかしいな、シキ」
え?この声……
よく聞き慣れたその声と口調に、あたしはバッと顔を上げる。
「お、お兄ちゃんっ!?」
思わず大声をあげた。
だってそこに呆れたように笑って立っていたのは紛れもない、あたしの兄の詩音だったから。
「ちょっとぶり、シキ」
いやいやいや、ちょっとぶりって……!
なんでここにいるの!?
サングラスしてても、あの有名モデルのシオンだってバレバレなんだけど!?
「やっほー、翔空くん。そっちのキミははじめまして。シキの兄の詩音です」
「……え、なんでここに?」
「し、シキちゃんのお兄さん!?ってか、どっかで見た事あると思ったら、有名モデルのシオ……むぐっ」
咄嗟にあたしは祐介くんの口に飛びつく。
「ゆ、祐介くん、それは言っちゃだめっ」
そんなの広まったら大変な事になるでしょうが!
そんなあたしに、お兄ちゃんは爆笑しながら「ナイスッ」と言った。
なんなの、ほんと。



