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……コスプレ喫茶と化した教室に戻った途端、男子に囲まれたあたしとなっちゃん。
とはいっても、なっちゃんの鋭すぎる眼光に大抵の男子は竦みあがって、すぐに引いていったけれど。
今は朝の8時40分。学園祭は9時からだから、あと少し時間がある。
そんな中、教室でわいわいとクラスメイトと話していたあたしのスマホに着信がはいった。
「もしも……」
「シキちゃん!?」
この声、祐介くん?
そんなに慌ててどうしたんだろう。
「どうしたの?」
「シキちゃんのところに、翔空来てないか!?」
「えっ、翔空?来てないよ?」
今朝はいつも通り一緒に登校して、教室まで送り届けてくれたけれど。
「マジかよ……あいつ、教室行ってないらしいんだ」
「えぇ!?」
思わず大きな声を出してしまい、クラスメイト達が何事かと振り返る。
慌てて教室から出て廊下を歩きながら、あたしは二年生の教室の方向に向かって歩く。
「女装が嫌で逃げたってこと?」
早足で歩きながら、あたしは電話越しの祐介くんに尋ねる。



