「華沢 詩姫ちゃん、だっけ。そっかー、キミが転校生なんだ。じゃあ俺のことも知らないのかな?」
あたしのフルネーム……なんで知ってるの?
俺のこと、って?
様々な疑問が渦巻く中、突然クルッとあたしに接近し再び額をくっつけてきた彼に、ビクッと身体を揺らす。
「俺、〝とあ〟って言うんだ。翔ぶ空って書いて、翔空」
「と、翔空……くん?」
フワッと天使が微笑むかのごとく笑った彼に、あたしの心臓はさらに高鳴る。
「うーん……」
突然何かを悩み始めた彼に、あたしはまたキョトンとする。
……マイペースな、人。
とことん自分のペースを崩さない。
だからなのか、すごくのんびりしてて、一緒にいてなんとなく心地がいい……とこんな状況なのに思ってしまう。
なんで抱きしめられているのかは、全く、少しもこれっぽっちも、わからないけど!!



