「ねえ、キミ名前はー?」
少しだけあたしから身体を離した彼に、ホッとしたのもつかの間。
かわりにコツン…とあたしの額に自分の額をくっつけてそう言った彼に、ボッと顔が熱くなるのを感じた。
ち、ちちち近い……!!
整いすぎたその顔に、どこか艶やかさを含んだ甘くのんびりとした声。
今にも吐息が触れそうなその距離から、間近にあるその顔に見つめられ、身がすくむ。
「シキ……です、けど……っ」
掠れた声で言ったあたしに、彼は優しく微笑んで額を離すと仰向けに寝転がった。
……片手であたしを抱きしめたまま。
だけど、とにかく離れてくれた彼にホッと安堵する。
「シキちゃんか、いい名前。……でもこの学校に、そんな名前の子いたかなー」
え……?
学校内すべての生徒の名前を覚えている、とでも言うのだろうか。
あたしは目をぱちくり。
「あ、の…あたし、今日転校してきたばっかりで……」
今にも途切れそうなほど小さい声で言ったあたしに、彼はなにか思い出したように、〝あぁ!〟という顔をした。



