「──…というわけで、うちのクラスの学園祭は〝コスプレ喫茶〟に決定しまーすっ」



黒板の前、壇上にて委員長の野村くんがテンション高めに腕を振り上げた。


「コスプレ喫茶とか楽しそう!」

「衣装作りとか大変そうだねー」

「喫茶ってことは、なんか作るの?」


わーわーと騒ぎ出すクラスの皆に、野村くんはパンパンッと手を叩いて静める。


さすが委員長。


見た目はチャラいけど統率力には優れているのか……。


1人、その事に感心しながら頷いていると、バチッと野村くんと目が合う。


……が、瞬時に逸らされた。


───……ん?


なんだろ、今の。


なんとなく感じた違和感に首を傾げながら、気のせいか、と頭から追い出す。