「……っ……ん…っ」 ゆっくりと近づいた翔空の唇が、あたしの唇に重なった。 ────…ほんの数秒。 ただ、それだけなのに。 それでも、一瞬にして離れた翔空の顔は夕陽のせいなんて言えないくらいに真っ赤だった。 たぶん、あたしも同じくらいに。 「……と、翔空」 「こ、こっち見ないで、シキ」 パッと目を手でふさがれ、翔空の顔が視界から消える。 「ちょ、翔空!見えないよっ」 「もうちょっと、待って……」 翔空、あたしより照れてるじゃん!という心の声を思わず口に出しそうになり、慌てて抑える。