……どうして、こんな所で?
あたしは戸惑いつつも石の間にあがり、そっと音をたてないようにその人物に近づいた。
右腕を枕のようにして寝ているその人の顔をのぞき込む。
「…………っ」
その瞬間、息を呑んだ。
体格から男性ってことは、わかっていたけれど。
あたしの目に映ったその顔は、あまりにも現実離れしていた。
悪い意味でなく、もちろん良い意味。
男性らしからぬ透き通るような白い肌に、ふわふわな明るい茶色の髪。
それこそおとぎの国の王子さまが、絵本から飛び出してきたかのような、その整いすぎた顔立ちに、あたしはしばらく息をするのを忘れて、彼に魅入っていた。



