「と、翔空」
「もう、大丈夫なの…?」
「え?」
その心配そうな瞳に、思わずキョトンとしてから身体の事を心配してるんだ、と思い出す。
「あ…ごめんね、心配かけて。もう平気」
「ほんとーに?」
「うん、本当。翔空のおかげ」
「……よかった。もう、心臓止まるかと思った」
酷くホッとした表情で深く息をついた翔空に、チクリと胸が痛む。
心配、させてたんだよね……
翔空が救急車も呼んでくれて、わざわざついてきてくれて……
「ありがとう、翔空」
翔空の手をギュッとつかんで、あたしは笑顔でそう言った。
「ん」と小さく返事をした翔空は、熱のこもった目であたしを見つめる。



