「2時間くらいだから、心配すんな。さっきまで母さんもいたんだけど、一旦家に帰るって帰ったばっかだよ」
「そっか。……あの、翔空は…?」
恐る恐る尋ねると、お兄ちゃんは少し真面目な顔をして、そばにあった椅子に腰を下ろした。
「あいつもさっきまでいた。でも学校抜けてここに来たから、とりあえず一旦戻るって」
「そ、そっか」
なんとなく、ここに翔空がいない事にホッとしてしまう自分がいる。
また余計な心配をかけちゃった……。
ますます落ち込みながらも、あたしはゆっくりと起き上がる。
「おい、無理すんなよ?」
「大丈夫」
心配するお兄ちゃんに笑ってみせると、その顔が少し綻んだ。



