◇ 「……ん………」 目を開けて、一番に飛び込んできたのは真っ白な天井。 ツンとした消毒の匂いが鼻をかすめ、自分に何が起きたかを悟った。 また、やっちゃった。 喘息発作を起こして倒れるのは、これが初めてじゃない。 薬を持っていなかったのは、最近発作が起きていなかった油断からだ。 完全な自業自得。 口につけられている酸素マスクに手をかけた時、部屋の扉がガラッと開けられ、お兄ちゃんが入ってきた。