「……これ……喘息の……?」



ねえ、翔空。


あたしの気持ちを、聞いてくれますか?

あたしの想いを、受けとめてくれますか?



「コホコホッ…ケホッ…っ……と、あ……」


「っ……待って、今、救急車呼ぶから。もう少し頑張れ、シキ!」



違う。違うよ、翔空。

あたしを、ちゃんと見て……。


そう言いたいのに、声は出なくて。


苦しさともどかしさを抱えて、遠くなっていく翔空の声が頭にぼんやりと響く。