キミと初恋、はじめます。



「……っ……ごめん……ごめん、翔空……っ」



本当に優しい翔空だから、あたしにあんな事を聞いたんだ。



〝そばにいてもいい?〟


なんて、今まで一度も、言われた事ない。


そばにいてくれる人なんて、いなかった。


ひとりだったあたしに、温もりをくれたのは、間違いなく……翔空なんだ。


その気持ちに応えられないあたしは、ただの最低女でしかない。


それでもあたしは、好きなんだ。


どこまでもマイペースで、

どこまでも優しくて寂しがり屋で、

どこまでもあたしの心を読むのが得意な、



────……翔空が、好き。



「……あたしだって、応えたいよ……っ!」


たった1人、誰もいない静かな教室であたしの嗚咽が小さく響いていた……────