気にしないように、チラッと窓の外を眺める。


さっき見た時は気づかなかったけど……

やっぱりものすごく、広い。


今あたしがいるこの本校舎の裏側には、グラウンドや陸上専門の競技場、テニスコートやバスケットコートなどの膨大な敷地が広がっていた。


あたしの予想以上だよ。


この広すぎる学校の中に、落ち着ける静かな場所を見つける。

それが今日のあたしの目標なんだ。



「……今日は新学期初日だからHRだけだけど、明日から授業も始まるから、皆ちゃんと準備してくるように。それでは今日はこれで解散とします」



伝達事項などを言い終えた先生のその言葉で、皆、早々帰る支度や部活の支度を始め出した。


星澟学園は全てにおいて自由な学校で、校則も相当緩いらしい。


ただでさえ、派手な制服なのに髪色が金髪だったり、メイクの濃い人が目立つのもそのせいだろうと察する。


こんだけ派手な見た目の生徒が多い中、メイクも一切せずに黒髪の女子のあたしなんて〝the地味部類〟だろうな。


そっちの方が気が楽だけどね。


まあでも、二学期の初日から登校出来ただけ、区切りがあって良かったのかもしれない。


この後は理事長に挨拶に行くだけで、何も用事はないし、学校内を歩いてみよう……と立ち上がった時だった。