君に、最後の長いためいきを

これはアレか、俺相手だからこその素か。


それは喜んでいいものなのだろうか。


それとも、こいつの間抜けさか。


……俺には分かりかねる。


混乱した思考は振り払えないままに、終電を思い出して、とにかくそれには間に合うようにと、やや強引に歩を進めた。


「行くぞ」

「……ねえ」


諦めてさっさと行こうとした俺を再び引き留めて、彼女はやはりしっかりした口調で話しかけた。


これで酔っているわけがない、酔ってなんかいない、だけど。


だとすれば、今のこの状態はどういうことだ。


どうして。


「ねえ、私さ」


――どうしてお前は、俺なんかに、隙みたいなものを見せている。