君に、最後の長いためいきを

外に出ると、肌寒い風が吹いていた。


寒いねえ、と腕を擦る彼女のストールを巻き直してやる。


薄いピンクのそれは彼からの贈り物らしい。


よく似合っている辺りが余計に悔しい。


「いいでしょー」

「はいはい」

「……って、ね、ねえ」


首が苦しいと訴える彼女は無視。


「いいから大人しく苦しんどけ。新婚旅行に風邪引いて行けなくなるぞ」

「確かに。それは嫌」

「だろ」

「……でも緩めて。かなり苦しいんだって」


抗議してくる彼女を呆れて見た。


もう手を離したのに、俺に首を突き出してくるってアホなのかお前は。


「自分でやれよ、子どもじゃあるまいし」

「やだよ面倒臭い」

「…………」

「ね、やって?」

「……はー……」

「ためいきつくと幸せが逃げるんだよ」

「はいはい」


仕方ない奴、と緩めに巻き直し。


じゃあ、と離れ、