君に、最後の長いためいきを

「君はほんと変わらないね」

「……なんだよ」

「馬鹿なとこもあの頃のままって言ってんのー」


何故だか、急に不安になって、誰が馬鹿だ、とおどけて反論すれば。


「教えなーい」


確実に彼女の瞳は揺れたと思うのに、顔を背けられて曖昧になる。


さらに心配を助長するだけで、俺はどこかもやもやした気持ちを抱えたけど、それ以上彼女は踏み込ませてはくれなかった。




『ためいきつくと幸せが逃げるんだよ?』


口癖のように言っていた彼女の言は、確かにそのとおりなのかもしれない。


俺はおそらくためいきをつきすぎて、幸せに逃げられた。


……もしもやり直しがきくなら、ためいきなんか、絶対につかないのに。