結局、徳田と彰人以外、みんな先に呑みに行ってしまった。
「よし、そこまでだ、こちびっ」
そんな彰人の言葉に、なんか、逮捕されそうな勢いなんですが、と思いながらも、彼の指示に従い、小春は打つのをやめた。
「すごいよ、こちびちゃん。
ビギナーズラックって、ほんとにあるんだね」
と徳田が笑う。
偉い偉い、と彰人が頭を撫でてくれた。
彼にこうされたら、振り払うだろうと思っていたのに。
なんだろう。
ちょっと嬉しい。
「偉いぞー、こちび。
あとで、キスしてやろう」
と言われ、即行、
「結構です」
と断る。
徳田は笑い、彰人に、
「別に勝たなくてもするくせに」
と言っていた。
立ち上がろうとしたとき、横に居たおじいさんが、お嬢ちゃん、お嬢ちゃん、と呼びかけてきた。
「目押ししてくれんかね?」
「はい?」
後ろで彰人たちが笑っていた。



