私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~

 聞き違いだな、と思ったとき、彰人が胸ポケットに突っ込んでいた携帯が鳴り出した。

 それを手に席を立つ。

「お前、続き打っとけ」
と言って。

「ええっ?
 打てませんっ」
と振り返りながら叫んだが、聞いていない。

「もしもし?
 花音か」
と言うのが聞こえてきた。

 花音?
 誰だ、花音って。

 だが、パチンコ屋の中はうるさいので、彰人はそのまま、携帯を手に出て行ってしまう。

「こうやって打つんだよ。
 打つのは簡単だけど、揃えられそうにないなら、彰人を待った方が」
と教えてくれる徳田の方を見ながらも、彰人を窺う。

 誰だ、花音ってーっ!

 待てよ。
 この人のことだから、犬か、猫かも。

 いや、猫、電話かけて来ないし。

 猫だとしても、なんかやだ。

 千鶴が聞いていたら、あんた、猫と張り合ってどうすんの? と言うところだろうが。

 おのれ、全額すってやるっ、と回転するスロットを凝視しながら打っていると、横からちらちら見ていた徳田が、
「こちびちゃん、これ、来る来る来るっ!」
と叫び出す。